
近年、学生の間でアルバイトの新しい選択肢として「ライバー」という働き方が注目されています。スマホひとつあれば始められ、自分のスケジュールに合わせて活動できる手軽さが魅力です。この記事では、ライバーに興味をもつ学生の皆さんが抱える疑問を一つひとつ解消します。メリットだけでなく、知っておくべき注意点や具体的な始め方まで網羅的に解説するので、ぜひ最後までご覧ください。
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学生でもライバーになれる?気になる疑問を徹底解説
ライバー活動を始める前に、多くの学生が抱くであろう基本的な疑問についてお答えします。年齢制限やプライバシーに関する不安を解消し、安心してスタートラインに立ちましょう。
中学生・高校生でもライバーになれる?年齢制限と注意点
結論からいうと、中学生や高校生でもライバーとして活動することは可能です。ただし、多くのライブ配信アプリでは利用規約で年齢制限を設けており、18歳未満の場合は利用できるアプリが限られたり、保護者の同意が必須だったりする場合がほとんどです。
まずは利用したいアプリの規約を保護者と一緒に確認しましょう。また、学校によってはアルバイトが禁止されているケースもあります。校則違反にならないように、事前に先生に確認することも考慮すべき点です。トラブルを避けるためにも、ルールを守って活動を始める準備を進めましょう。
顔出しNGでも大丈夫?学生Vtuberという選択肢
「ライバーには興味があるけれど、顔を出すのは抵抗がある」という学生は少なくありません。しかし、顔出しNGで人気を集めているライバーはたくさんいます。
顔出しをせずに配信する方法として、ラジオ配信のように声だけで配信する方法やマスクやサングラスで顔の一部を隠す方法もあります。さらに、最近では「学生Vtuber」として、自分自身の代わりにアバター(キャラクター)を動かして配信するスタイルも人気です。
人気Vtuberグループ「にじさんじ」にも学生ライバーが所属しており、プライバシーを守りながら活動しています。顔出しNGの配信は、身バレのリスクを大幅に減らせる有効な選択肢といえるでしょう。
親や学校、友達にバレずに活動する方法はある?
周囲に知られずにライバー活動として活動することは可能です。ライバーとして配信する際、個人情報が特定されるような言動は避けましょう。配信中に本名や学校名、最寄り駅などを話さないのはもちろん、制服や学校のジャージが映り込まないように細心の注意を払う必要があります。
また、普段使っているSNSとは別に、ライバー活動専用のアカウントを作成することをおすすめします。さらに、配信時間を深夜や早朝にするなど、友人に見つかりにくい時間帯を選ぶのもひとつの手です。プライバシー管理を徹底し、安心・安全に活動しましょう。
学生ライバーのメリット5選!
学生がライバーとして活動することには、お金を稼げること以外にも多くのメリットがあります。ここでは、あなたの学生生活をより豊かにする可能性を秘めたライバーの魅力を紹介します。
自分のスケジュールで稼げる
学生ライバー最大の魅力は、働き方の自由度の高さです。一般的なアルバイトのようにシフトに縛られることがなく、授業の空きコマやサークルのない日、就寝前の時間など、自分の好きなタイミングで配信できます。
とくに、テスト期間中は配信を休んで勉強に集中し、長期休暇中に集中的に配信して稼ぐといった、学業に合わせた柔軟な働き方が可能です。時間を有効活用しながら収入を得られるため、忙しい学生にとって理想的な活動といえるでしょう。
コミュニケーション能力や自己表現力が身につく
ライバー活動は、不特定多数のリスナーとリアルタイムで対話する活動です。配信を続けるうちに、自然とコミュニケーション能力が磨かれていきます。
リスナーを楽しませるためのトーク力やコメントに瞬時に反応する対応力、そして自分を魅力的に見せる自己表現力は、今後の社会人生活や就職活動においても大きな武器になるでしょう。
全国にファンや仲間ができる
学校や地元の友達という限られたコミュニティだけでなく、ライブ配信を通じて全国、ときには海外にまで自分のファンや仲間ができるのもライバーの醍醐味です。
同じ趣味や価値観をもつ人々とオンラインでつながり、応援してもらえる経験は、自己肯定感を高め、日々の活動の大きな励みになります。
リスナーからの温かいコメントやギフトは、あなたの努力が認められている証です。孤独を感じることなく、多くの人に支えられながら成長できることがライバーの魅力です。
好きなことや得意なことを発信できる
ライバーは、自分の「好き」や「得意」を全世界に発信できます。たとえば、得意なゲームを実況したり、好きなアニメについて熱く語ったり、趣味のイラスト制作過程を見せたりするなど、あなたの個性を存分に発信できます。
自分の「好き」が誰かの「楽しい」につながり、それが収入になるというサイクルは、ほかのアルバイトではなかなか味わえない、やりがいと喜びに満ちているといえるでしょう。
セルフプロデュース能力が向上する
人気ライバーになるためには、自分という商品をどのように見せ、どのようにファンを増やしていくかという「セルフプロデュース能力」が求められます。
どのようなキャラクター設定で、どのような企画を立て、どうすればリスナーに楽しんでもらえるかを考えるプロセスは、マーケティングの基礎を実践的に学ぶことと同じ意味をもつでしょう。
試行錯誤を繰り返しながらファンを獲得していく経験は、将来どのような道に進むとしても役立つ、貴重な体験になるはずです。
ライバーの苦労・大変なこと
華やかに見えるライバーの世界ですが、その裏には地道な努力や苦労もあります。活動を始める前に、現実的な大変さも理解しておくことで、困難に直面したときも乗り越えやすくなるでしょう。
学業との両立
学生である以上、もっとも優先すべきは学業です。ライバー活動に夢中になるあまり、授業に集中できなかったり、レポートの提出が遅れたりしては本末転倒です。
とくに、定期テストの期間や課題が多い時期は、配信時間の確保が難しくなります。リスナーからの「もっと配信してほしい」という期待に応えたい気持ちと学業をおろそかにできないという責任感との間で葛藤を感じる学生ライバーは少なくありません。
ライバーとして活動するのであれば、自分の中で明確なルールを作り、計画的に活動することをおすすめします。
継続的な配信の精神的・時間的負担
ファンを増やし、安定した収入を得るためには、定期的な配信を継続することが求められます。しかし、新鮮な話題を提供し続けることには、精神的な負担がともないます。
ときには配信のネタが思いつかずにつらいと感じたり、思うようにリスナーが増えずにモチベーションが下がったりすることもあるでしょう。
ライバーとして活動していくためには「続かない」と悩む前に、無理のない配信スケジュールを組むことが大切です。時間的な拘束も考慮し、自分のペースで長く楽しめる方法を見つけましょう。
心ないコメントへの対応
ライブ配信は多くのファンや仲間とつながれる一方で、ごく一部の心ないリスナーから、誹謗中傷やネガティブなコメントを受け取ってしまうリスクもあります。顔が見えないからこその無責任な言葉に深く傷ついてしまうこともあるかもしれません。
このような心ないコメントにどう向き合うかは、ライバー活動を続ける上で考慮すべき点です。コメントをブロックする機能を使ったり、信頼できるリスナーやライバー事務所のマネージャーに相談したりと、自分の心を守るための対策をあらかじめ考えておきましょう。
プライバシー管理の徹底
学生ライバーにとって、プライバシーの管理は最優先で取り組むべき課題です。ライバーとして配信する以上、何気ない会話や配信の背景から、個人情報が特定されてしまう危険性にさらされます。
当然、一度インターネット上に流出した情報は、完全に削除することは極めて困難です。制服が映り込む、窓の外の景色から場所が特定される、本名をうっかり話してしまうといった事態を避けるため、配信環境には細心の注意を払いましょう。
ライバーの収入の仕組み
ライバーの収入は、主にリスナーからの投げ銭(ギフト)によって成り立っています。リスナーは配信中にアイテムを購入し、応援したいライバーに贈ります。このギフトの一部が、ライバーの報酬として還元される仕組みです。
ほかにも、配信時間に応じて報酬が支払われる時間報酬制度を導入しているアプリやイベントで上位に入賞することで得られる賞金など、収入源は多岐にわたります。
事務所に所属している場合は、これらの報酬から所定のマネジメント料が差し引かれるのが一般的です。
ライバーの収入目安
ライバーとして活動するにあたって「実際のところ、学生ライバーはどれくらい稼げるの?」というのはもっとも気になる点のひとつでしょう。収入は個人の人気や活動時間によって大きく変動しますが、ここでは一般的な目安を段階別に紹介します。
初心者の平均収入
ライバー活動を始めたばかりの初心者の場合、まずは固定ファンを作るところからのスタートです。最初の数か月は、月収数千円から1万円程度が現実的な目標となるでしょう。
初心者の段階では、収入よりも配信に慣れ、リスナーとのコミュニケーションを楽しむことを優先するのが得策です。焦らずコツコツと続けることで、徐々に収入も安定します。まずはアルバイト代のお小遣い稼ぎ、という感覚で始めてみるのがよいでしょう。
中堅ライバーの収入
継続的な配信によってファンが増え、イベントなどにも参加するようになると、収入は大きく伸びていきます。コンスタントに配信を続けている中堅ライバーの中には、月収5万円から10万円以上を安定して稼ぐ人も少なくありません。
このレベルになると、一般的な学生のアルバイト代を超える収入を得ることも十分に可能です。学業と両立させながら、自分の力でまとまった金額を稼げることは、大きな自信につながるでしょう。
トップライバーの収入
各配信アプリのランキング上位に名を連ねるようなトップライバーになると、収入は月収数十万円、中には100万円を超えるケースも存在します。トップライバーは多くの熱心なファンに支えられており、ライバー活動だけで生計を立てることも可能です。
ここまで到達するには、配信内容の工夫やSNSでのファンとの交流など、並々ならぬ努力が求められるでしょう。しかし、学生や一般人でも大きな夢をつかめる可能性を秘めているのがライバーの魅力です。
学生ライバーの確定申告
ライバーとして一定以上の収入を得た場合、学生であっても「確定申告」という税金の手続きが必要です。知らないうちに脱税していた、ということにならないよう、基本的な知識を身につけておきましょう。
確定申告が必要になる所得金額
ライバー活動で得た収入から、配信にかかった経費を差し引いた金額を「所得」と呼びます。この年間の所得が48万円を超えた場合、原則として確定申告が必要です。アルバイトをしていない学生の場合は、この基準を覚えておきましょう。
もしほかのアルバイトもかけもちしている場合は、計算方法が異なるため注意する必要があります。所得が48万円以下であれば確定申告は不要ですが、念のため収入と経費の記録は残しておきましょう。
親の扶養から外れる条件
学生の皆さんの多くは、親の扶養に入っているはずです。これにより、親が支払う税金が軽減されています。しかし、ライバーとしての年間所得が48万円を超えると、この税制上の扶養から外れることになり、親の税負担が増えてしまう可能性があります。
また、健康保険の扶養については年間収入が130万円を超えると外れるのが一般的です。扶養から外れることで、家庭全体の支出が増える場合もあるため、事前に保護者の方とよく相談しておく必要があるでしょう。
確定申告の簡単なやり方
確定申告と聞くと、税務署へ行って難しい書類を記入するイメージがあるかもしれません。しかし、現在ではスマートフォンアプリなどを活用して、自宅からでも簡単に手続きを進められます。
学生ライバーにとってもっとも身近な方法は、国税庁の確定申告書等作成コーナーをスマートフォンで利用することです。画面の案内に従って収入や経費を入力していくだけで、自動的に税額が計算され、申告書が完成します。
マイナンバーカードと対応のスマートフォンがあれば、e-Tax(電子申告)を使ってオンラインで提出まで完了できるため、非常に手軽です。また、freeeやマネーフォワードクラウド確定申告といった会計アプリも便利です。
日々の経費をレシート撮影で記録できるなど、帳簿付けの手間を大幅に削減してくれます。これらのツールをうまく活用し、賢く確定申告に取り組みましょう。
経費として認められるもの
確定申告では、収入から経費を差し引けます。経費を正しく計上することで、納める税金の額を抑えることが可能です。
ライバー活動における経費としては、配信に使うスマートフォンやPC、マイク、リングライトなどの機材購入費、配信用の衣装代、インターネットの通信費などが挙げられます。
何にいくら使ったのかを証明できるように、購入した際のレシートや領収書は必ず保管しておくようにしてください。
未経験から人気学生ライバーになるための4ステップ
ここまでの説明で、ライバー活動へのイメージが具体的になってきたのではないでしょうか。最後に、未経験のあなたが人気学生ライバーを目指すための具体的な4つのステップを紹介します。
STEP1:自分に合ったライブ配信アプリ・事務所を選ぶ
まずは、活動の拠点となるライブ配信アプリを選びましょう。アプリによって、ユーザーの年齢層や雰囲気、報酬のシステムが異なります。
Pococha(ポコチャ)や17LIVE(イチナナ)、BIGOLIVE(ビゴライブ)など、複数のアプリを実際に視聴してみて、自分に合いそうな場所を見つけるのがおすすめです。
また、サポート体制が充実しているライバー事務所に所属するのもひとつの手です。事務所に所属すると、配信のノウハウを教えてもらえたり、トラブル時に相談できたりするメリットがあります。
STEP2:配信に必要な機材を準備する
「機材をそろえるのが大変そう」と思うかもしれませんが、心配は不要です。基本的には、スマートフォンが1台あれば、すぐにでもライバー活動を始められます。
より快適な配信を目指すなら、100円ショップでも購入できるスマホスタンドやクリアな音声を届けるためのマイク付きイヤホンを用意するとよいでしょう。
さらに上を目指すのであれば、顔色を明るく見せるリングライトや画質のよいカメラがあると、ほかのライバーと差をつけられます。
STEP3:プロフィールと配信内容を決める
多くのライバーの中からあなたを見つけてもらうためには、魅力的なプロフィールが欠かせません。あなたの個性や好きなこと、どんな配信をしているのかがひと目で分かるように工夫しましょう。
配信内容に困ったら、まずは自分の「好き」や「得意」を活かすことを考えてみてください。ゲームが好きならゲーム実況、歌うことが好きならカラオケ配信、おしゃべりが好きなら雑談配信など、自分自身が楽しめるジャンルを選ぶことが、ライバー活動を長続きさせる秘訣です。
STEP4:初配信!ファンを増やすための基本戦略
準備が整ったら、いよいよ初配信です。最初のうちは誰も見てくれないかもしれませんが、落ち込む必要はありません。まずは、来てくれた数少ないリスナー一人ひとりと、丁寧にコミュニケーションを取ることを心がけましょう。
名前を呼んであいさつをしたり、コメントを積極的に拾ったりすることで、リスナーは「大切にされている」と感じ、あなたのファンになってくれる可能性が高まります。
また、X(旧Twitter)などのSNSで配信時間を事前に告知することも、ファンを増やすための基本的な戦略です。
まとめ
学生でもライバーとして活動することは十分可能であり、学業と両立しながら自分のペースで収入を得られる魅力的な働き方です。スケジュールの自由さや自己表現の場としての魅力がある一方で、プライバシー管理や学業とのバランス、継続の大変さなど注意すべき点もあります。まずは無理のない範囲で挑戦し、自分らしいスタイルを見つけながら活動を続けることが成功への第一歩です。安全とルールを守りつつ、ライバーという新しい可能性にぜひチャレンジしてみましょう。